IMPRESSION COMPETITION小学校家庭科副読本『おみそ 調べてみよう!食べてみよう!』
読後感想文コンクール
平成27年度 第23回 入賞者発表

『笑顔』をつむぐみそ[最優秀賞]

兵庫県神戸市立玉津第一小学校5年生天羽 悠月

「うーん、体が温まるー。」

寒い朝、私はおみそ汁を飲みながら思った。わが家のおみそは、お母さん特製のみそ。塩からくなく、やさしい味がする。みんなこの味が好きだ。毎年節分を過ぎると、みそ作りを始める。私も幼稚園の時から手伝っている。

まず大豆をやわらかく煮る。そして、袋に入れ、足でふみふみする。ある時、早く仕上げようとジャンプをしたら、中身が飛び出してきた。「もったいない。」としかられたことは、今となってはいい思い出だ。私がつぶしている間に、お母さんは塩と糀を混ぜ合わす。糀は、米と玄米と麦のブレンドだ。米の甘さと玄米の力強さ、麦のすっきりとした味がみそをおいしくしてくれる。
それから豆と糀塩をよく合わせ、みそ玉を作る。ここからが、気合いのいるところだ。みそ玉の空気をぬくように、力強くかめの中へ投げ入れる。時々、投げる方向を間違えて、お母さんに笑われる。こうしてわが家のみそは、毎年いろんな思い出と共に仕こまれていく。みそは一年を通して様々な表情を見せてくれる。
夏になると田舎から自家製野菜が届く。そこにきゅうりが入っていると、お母さんにたのんでみそを出してもらう。そして、きゅうりみそにしてポリポリ食べる。この時期のみそは若く、大豆の味が濃い。だから、みずみずしいきゅうりとの相性は抜群だ。秋はなすや里いもを田楽に、冬はゆずみそにして、ほかほかご飯のお供にして食べる。

昨年からは、丹波の黒豆みそも加わった。このみそは、お父さんと作った。わが家のみそは一年目から三年目まであり、時の流れと一緒に作られている。私も大きくなったらお母さんのように、幸せになれるみそを作りたい。家族の歴史が、未来へとつながるために…。

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