IMPRESSION COMPETITION小学校家庭科副読本『おみそ 調べてみよう!食べてみよう!』
読後感想文コンクール
平成27年度 第23回 入賞者発表

お母さんの味噌[優秀賞]

広島県広島市立大町小学校6年生増田 陽太

二年前、和食が世界無形文化遺産に登録された。やっぱり和食が一番だ。僕の家の食事も和食が中心。朝食は基本的にご飯と味噌汁。僕は朝はパンよりご飯の方が、元気が出るような気がする。しかも、調べてみると日本人の体質に和食の方が合っているそうだ。我が家の和食には味噌が欠かせない。味噌汁はもちろんの事、炒め物やちゃんちゃん焼き、鯖そぼろなどいろんなところで活躍してくれる。

普段から味噌は口にしているのだが、中でも特に味噌を使うのは味噌汁だ。お母さんは家族の健康の為に僕が生まれてから味噌作りを始めた。お母さんの作った味噌でできた味噌汁は最高に美味しい。でも、作った味噌が一年もたないと、市販の味噌で味噌汁を作る。家の味噌の味を知っている僕は、「あれっ。今日の味噌汁ってお母さんの味噌と違う!」と気付く。言葉では説明できないのだが、何かが違うのだ。
「さすが、陽太はよく分かるねえ。今日の味噌汁はスーパーで買ってきた味噌を使ってるんよ。」
お母さんが言った。買ってきた味噌の原材料を見せてもらった。大豆やこうじなどは一緒なのだが、調味料(アミノ酸など)と書いてあった。家の味噌とは違うものが入っている。「何これ。」僕は思わず目を見張った。これが、違いを生み出しているのかもしれない。やっぱり家の味噌は、余分な物を入れていないからこそ美味しいのだろう。味噌で、料理の味が変わるのだ。味噌は料理のハンドルのように思えた。今年も味噌が出来上がる十月になった。

「味噌、開けてみようか。」
お母さんが言った。部屋の奥にあった味噌だるを持って来る。この味噌は今年の二月に仕込んだらしく、寒い季節に仕込む方が美味しくなるようだ。ふたを開けると市販の味噌とは違う、独特の味噌の匂いがただよってきた。
「じゃあ今日はこの味噌で、美味しい味噌汁を作って食べよう。」
とお母さんが言った。僕はよだれを飲み込みながら、いろんな料理を思い浮かべていた。

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