IMPRESSION COMPETITION小学校家庭科副読本『おみそ 調べてみよう!食べてみよう!』
読後感想文コンクール
平成22年度 第18回 入賞者発表

父とスープの国際交流[みそ健康づくり委員会委員長賞]

愛知県岩倉市立岩倉北小学校6年生クラウディア 貴子

父の好きな味噌汁(いやスープ)は大変面白い。母も父の好みに合わせるために良く考えるなあと感心する。ただし、日本の家庭で作られる味噌汁と比べると、変な味噌汁と思われるかもしれない。
私の父はイタリア人だ。二十一年前に日本へやってきた。日本に来るまで、味噌を食べた事は無いという。しかし、今では大好きな食材のひとつだ。特に赤味噌が好きだ。なぜなら味がしっかりしているからだと父は言う。
母も祖父母も、赤味噌だ。みんな愛知県生まれだからだろうか? 母や祖母が白味噌を買ったところを見た事が無い。とにかく、赤味噌のおかげで、父と母、祖父母との、味噌を通じての国際交流は上手くいっている。
でも、味噌汁を作る事になると、大きな違いが出て来る。祖父母にとっては味噌汁でも、父にしてみれば味噌スープなのだ。父は味噌スープと一緒に、バゲットパンを食べる。バゲットパンを、味噌スープに浸して食べる。見た目がなんだか変だといっていた母も、今では父の食べ方を時々真似している。悪くはないそうだ。私も真似をしてみたが、ご飯と一緒の方が美味しいと思う。
さらに父好みの味噌スープの具については、色々な食材を入れる。具が一度に5種類以上入っていて、味噌汁の器では入りきらず、どんぶり又はスープ皿で出される事が何度かある。しらたき、鶏肉、ほうとう、ねぎ、あげ等ごろごろと入っていて見た目は味噌汁ではない。もはやごった煮である。祖母が100%日本人だから、そんな味噌スープを見てあきれている。母も昔は日本人が食べる普通の味噌汁を作っていたそうだから、「変わった物を作るようになったわねえ。」と母の味噌スープを見てつぶやいている。
父の影響を強く受けている母だから、母の味噌スープはまだまだ発展していくだろう。そのうちミネストローネ(イタリアの味噌汁ともいわれている)のようなパスタ入りの味噌スープが出されるようになるかもしれない。母の努力と味噌汁の国際化の成功を祈っている。でも母には悪いと思うが、普通の日本人が食べる味噌汁が飲みたくなったら、祖母の家へ避難しようかと思っている。

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