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全国みそ料理めぐり

秋田県 焼きみそきりたんぽ

保存食やもてなしにも
米どころ秋田で愛され続ける庶民の味

保存食に、もてなしに「きりたんぽ」は大活躍

「きりたんぽ」は一度聞いたら忘れられない温かみのある名前で、もっとも人気のある秋田の郷土食です。すりこぎでつぶしたご飯を芯棒に巻きつけるシンプルな料理ですが、広く秋田県民の食生活に定着し旅行客からも愛されています。かわいらしい名前は、見た目がガマの穂(たんぽ)や短穂槍(たんぽやり〜短い穂が付いた稽古用の槍)の形に似ていることからついたとか。江戸時代には領地を見回りに来た南部藩の殿様をきりたんぽでもてなしたそうですから、槍に見立てた勇ましい由来も頷けます。

なぜ、芯棒に巻きつけるようになったのか?これもいくつかの説があり、秋に木材の伐採や炭焼き作業をするために山へ入った農民が、山小屋でご飯をこねて杉の木に巻きつけ鍋に入れたという説、神様へのお供え物だった説、山にこもるマタギの保存食だった説などが地域ごとに伝えられています。

ここではみそを塗って焼く「焼きみそきりたんぽ」を紹介していますが、名産比内地鶏とゴボウや舞茸と煮込む「きりたんぽ鍋」も有名です。

自然の恵みと人々の努力が育てた秋田米

ここで焼きみそきりたんぽの作り方を紹介しましょう。用意するものはきりたんぽ4本分の材料として、ご飯1合と片栗粉を小さじ1。練りみそ用にみそ100g、砂糖80g、酒50ml、みりん25ml。芯棒になる太めの串は杉製の専用のものが市販されていますが、太めの菜箸などでも代用できます。

まずは炊きたてのご飯と片栗粉をすり鉢に入れ、すりこぎで半づきにします。水で濡らした手で空気が入らないようにしっかりと芯棒に巻きつけ、きりたんぽの形に整えます。できあがったきりたんぽをさっと温め、材料を混ぜ合わせて作った練りみそをたっぷり塗ります。準備ができたところでさっと炙り、香ばしさが匂ってきたところでいただきます。あまった練りみそは冷蔵庫で保存しましょう。

秋田は日本有数の米どころとして、きりたんぽの原料である米を様々な品種で育ててきました。あきたこまち、ひとめぼれ、サキホコレなどのブランド米は多くの方が口にしたことがあるでしょう。秋田のお米がおいしいのは、稲の成長に適した夏の高温・多照、豊富な水資源をもたらす冬の積雪、稲の成長を促す奥羽山脈から吹く暖かな「宝風」など気候的特性、米代川、雄物川、子吉川の3大河川が育む肥沃な土壌など大地と自然の恵みが大きく寄与しています。

忘れてならないのが先人たちの努力、ことに明治時代の農村指導者で生涯を農村救済に捧げた「農聖」石川理紀之助(1845~1915)翁は秋田県農業発展の原動力として今なお尊敬を集めています。

祭り、秋田犬、田んぼアート、秋田観光も主役はお米

秋田県は観光の主役もお米が担っています。夏の夜空に稲穂をかたどった提灯を掲げ五穀豊穣を祈る「竿燈まつり」と、怠け者を戒め禍いを祓い、豊作・豊漁の吉事をもたらす神の使い「なまはげ」の二つの祭りは米農家の信仰心を表したもの。いまや世界的な人気の秋田犬は、もともと農村をクマから守るマタギがパートナーとして連れていた犬種だとか。

そして初夏に欠かせない観光名物が「田んぼアート」。複数種の苗を使ったダイナミックな作品は米どころ秋田でも盛んに作られ、多くの観光客の目を楽しませています。この田んぼアートを最も手軽に見られるのが「秋田内陸縦貫鉄道」、奥羽本線「鷹ノ巣駅」〜秋田新幹線「角館」駅を2時間半ほどかけて走る車窓からは、前田南〜阿仁前田温泉間や角館〜羽後太田間など5カ所程で美しい田んぼアートを見ることができます。見どころに近づくと列車は減速し、車内アナウンスで告知されるため初めて乗る方にもたっぷり楽しめる人気の路線です。スマイルレールの愛称で親しまれ、美しくのどかな里山風景の中をのんびり走る秋田内陸縦貫鉄道で大地のめぐみを実感してください。

「焼きみそきりたんぽ」(4人分)

  • エネルギー 137kcal
  • 食塩相当量 1.3g
  • ※一人分の値

材料

きりたんぽ(4本)

  • ご飯1合
  • 片栗粉小さじ1

練りみそ(作りやすい分量)

  • みそ100g
  • 砂糖80g
  • 50ml
  • みりん25ml

作り方

  1. 炊きたてのご飯をすり鉢に入れ、片栗粉を入れて、すりこ木で半づきにする。水で手を濡らし、空気が入らないように硬く棒に巻きつけ、形を整える。
  2. きりたんぽはさっと温める。練りみその材料を混ぜ合わせ、温めたきりたんぽに塗る。
  3. 練りみそをさっと炙って香ばしくする。

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