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全国みそ料理めぐり

石川県 加賀れんこんの団子汁

加賀百万石の時代から栽培され
市民に愛されてきた加賀野菜

加賀百万石の時代から愛されてきた、加賀れんこん

石川県には、古くから栽培され市民にも愛されてきた「加賀野菜」と呼ばれる15品目のブランド野菜があります。さつまいも、たけのこ、加賀太きゅうり、金時草、加賀つるまめ、ヘタ紫なす、源助だいこん、金沢せり、打木赤皮甘栗かぼちゃ、金沢一本太ねぎ、二塚からしな、赤ずいき、くわい、金沢春菊、それに「加賀れんこん」を加えた15品目です。
なかでも「加賀れんこん」は、加賀百万石と謳われた江戸時代から栽培されており、金沢城の城中で栽培されたものは薬用にも用いられたと言います。明治以降は新品種の導入が盛んになり、県外にも多く出回るようになり、昭和40年代以降は「支那白花」という品種が定着しました。
病気に強く収穫高が多く、浅根性で掘りやすいことが特長の「支那白花」は、肉厚ででんぷん質が多く粘りも強く、夏過ぎから泥付きの新鮮なものが出荷されます。この粘りを存分に活かした料理が「加賀れんこんの団子汁」。しぼり汁を加熱して煮詰めると、つなぎの片栗粉を使わなくてもふんわりと固まります。団子汁のほかにも、すりおろしたものを蒸しあげ、とろりとしたあんをかけた「蓮蒸し」なども人気があります。

伝統を守り進取を拒まず発展してきた石川文化

江戸時代、加賀百万石の城下町金沢は、江戸、大坂、京都に次ぐ人口規模を誇る 栄華を築きました。現在の石川県は、北陸新幹線の開通なども追い風に、日本を代表する観光県に君臨しています。ことじ灯篭や日本最古の噴水で知られる兼六園、釘やボルトを一切使わず日本古来の匠の技を結集し復元された金沢城・五十間長屋、近江町市場の賑わいに東茶屋街の趣など、歴史ある観光名所がふんだんにあります。一方、大胆な前衛芸術作品を数多く展示する21世紀美術館のように、時代のニーズにも応える積極性が見事に融和されています。

また、加賀藩藩政時代の文化奨励政策により、九谷焼や加賀蒔絵、象嵌、金箔、加賀友禅、さらには輪島塗など多岐にわたる工芸が発展しました。この流れを汲むのがISP (いしかわサイエンスパーク) 。1990年に先端科学技術分野における産学官連携の促進と国際的な研究開発拠点作りを目指して造られ、最先端の科学技術に関する研究開発の一翼を担っています。
この姿勢は食文化においても同様で、「加賀料理」は加賀野菜や日本海の豊富な魚介類、米などの伝統食材を大切に使う一方、北前船で全国各地から運ばれてくる食材、さらには日本海を超えて中国大陸から輸入食材や調理法をも取り入れながら独自の発展を遂げてきたのです。

石川が誇る、もう一つの肉厚と粘り

金沢まで来たら能登半島へも足を伸ばしたくなりますね。
明治の大火で焼け落ち、神奈川に移築したものの今なお地元では厚い信仰を集める総持寺。
輪島塗りの逸品を見られる輪島漆芸美術館や、鴨ヶ浦から眺める日本海、そして輪島の朝市。
七尾線で、七尾までは約1時間半。七尾湾を周遊する遊覧船に乗ると、多くのカモメと、雄大な能登島大橋橋梁が迎えてくれます。

不意にデッキで船長に声をかけられました。
「お客さん、あの辺りが54代横綱『輪島』の故郷ですよ。そのあとは『栃乃洋』に『輝』。七尾からは良い力士が出ています」

そう、石川県は日本を代表する相撲処でもあります。
のと鉄道で終点の穴水まで行けば、そこは当代の幕内人気力士『遠藤関』の生まれ故郷。最近では小兵ながら動きの良さで声援を集める『炎鵬』も金沢市の出身です。
石川県出身力士の肉厚と粘りは、加賀れんこんに育てられたのだろうか?
そんなことを考えながら、旅と食を楽しむのも良いかもしれません。

「加賀れんこんの団子汁」(2人分)

  • エネルギー 158Kcal
  • 食塩相当量 2.8g
  • ※一人分の値

材料

  • 加賀れんこん300g
  • 片栗粉大さじ3
  • 少々
  • だし汁2カップ
  • みそ大さじ2
  • 青みにねぎなど 

作り方

  1. れんこんは皮をむいて擦りおろす。軽く水気を切り、絞り汁は鍋で煮詰め、とろみをつけ、冷ます。
  2. 冷めたら、擦ったれんこんを加え、片栗粉と塩を入れて練る。
  3. だし汁を沸騰させ、団子状にしたれんこんを加え、5分程弱火で煮る。れんこんが硬くなり、透明感が出てきたら、みそを溶き入れる。

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