1. ホーム
  2. みそ資料館
  3. 全国みそ料理めぐり
  4. さつま汁

全国みそ料理めぐり

鹿児島県 さつま汁

薩摩藩が生み出した薩摩地鶏を
野菜と一緒に煮込む武士料理

闘鶏で負けた鶏をその場でしめ、野菜と一緒に煮込んで食べたのが始まり

鹿児島県の郷土料理「さつま汁」。その名前と鹿児島県といえばと「さつまいも」や「さつま揚げ」が入ったものだとイメージする方も多いかもしれません。 ところがそうではなく、実は鶏肉を使った具だくさんの味噌汁のことを言います。

江戸時代の薩摩(現代の鹿児島県北西部)では、薩摩武士たちが士気高揚のため、地元の名産「薩摩鶏」で闘鶏が盛んに行われていました。その際に闘鶏で負けた鶏をその場でしめ、野菜と一緒に煮込んで食べたのが始まりといわれています。その後、闘鶏が禁止されたあとも、各家庭で鶏が放し飼いにされ、来客がある時や祝いの席のために鶏をしめて調理して食べていたといいます。

作り方は一般的な豚汁と同じく、鶏肉を野菜と一緒に炒めたあと、だし汁で煮込み、最後に味噌を溶かします。
鹿児島県では具材に里芋やかぼちゃを使う家庭も多いそうです。鹿児島県では家庭だけではなく、学校の給食献立や家庭科の授業で作る機会もあり、地域のイベントで振る舞われることもあるようです。

日本三大地鶏の一つ「薩摩鶏」

日本三大地鶏は秋田県の比内地鶏ひうち、愛知県の名古屋コーチン、鹿児島県の薩摩鶏と言われています。
薩摩鶏は、江戸時代に薩摩藩内で創り出された闘鶏の一種で、足が長く、尾羽は長く美しく、鋭い眼光で気性が激しく、闘鶏に相応しい力強い鶏です。飼育の歴史は古く、およそ800年前、薩摩藩祖島津忠久の時代から飼われていたと言われています。現在は天然記念物に指定され、主に観賞用として飼育されています。

現在の鹿児島県を代表するさつま若しゃも、さつま地鶏、黒さつま鶏の3種は「かごしま地鶏」としてブランド化されています。これらの「かごしま地鶏」は薩摩鶏を原種とし、肉の弾力、甘み、色合いが非常に良く、ブランド鶏として人気があります。

地鶏と普通の鶏の違いをご存知でしょうか?地鶏とは日本農林規格(特定JAS)において、日本に明治以前から飼育されている在来種(薩摩鶏・比内地鶏など39種)の純系、または在来種が素びなの親鳥に用いられ、在来種の血が50%以上含まれるものであること。飼育期間が75日以上、28日齢以降の平飼いと、1㎡あたり10羽以下で飼育されたものと定められています。
鹿児島県のさつま若しゃも、さつま地鶏、黒さつま鶏は、この定義をすべて満たしています。

鹿児島のシンボル「桜島」

桜島は北岳・南岳の2つが合わさる複合活火山で、今も噴煙を上げ灰を降らせている世界的に珍しい火山です。
高さ1,117m、周囲52km、面積約80k㎡。大正3年(1941年)の噴火で大隈半島と陸続きになりました。陸続きとなる前には瀬戸海峡があり、桜島は文字通りの島でしたが、1941年1月に発生した大噴火(大正大噴火)で、火口から流れ出た溶岩が海峡を埋め立てて今の姿になったそうです。この噴火では黒神地区(島の東側)が2mもの火山灰や軽石で埋まった外、火山灰の一部は東北地方をこえ、ロシアの極東にあるカムチャッカ半島まで流れたと言われています。

県外や海外から来た人に「桜島には人が住んでいる」と話すと驚かれます。現在も桜島には4,700人ほどの人が暮らしていて、住宅や民家以外にもホテルや病院、スーパーマーケットやコンビニもあります。「桜島に住んでいるなんて危なくないの?」という質問は、実際に住んでいる人によると「観測体制も噴火予測もしっかりしているから不安はない」とのことです。

鹿児島市街地から10kmという至近距離、しかもエリア内に人が住んでいる活火山は世界でも非常に珍しく、多くの観光客が訪れています。
有名な絶景ビュースポット「湯之平展望所」は北岳4合目(標高373m)にあり、一般の人が登ることができる桜島の最高地点です。ここからは鹿児島市街地と錦江湾を一望することができます。
その他にも桜島ビジターセンターや有村溶岩展望所の溶岩原、道の駅「桜島」ではギネスブック認定された世界一大きい大根「桜島大根」と世界一小さい「桜島小みかん」を購入することができます。また島内は周遊バスもあり乗り降り自由で観光にとても便利です。

「具だくさんのさつま汁」(4人分)

  • エネルギー 247kcal
  • 食塩相当量 2.5g
  • ※一人分の値

材料

  • 鶏もも骨つきぶつ切り500g
  • さといも400g
  • ごぼう1/2本
  • 大根1/4本
  • にんじん1/3本
  • ねぎ1本

  • 昆布10cm 1枚
  • 5カップ
  • 大さじ2
  • みりん大さじ1
  • みそ大さじ4~5

作り方

  1. 鶏肉は食べやすく切る。
  2. さといもは皮をむき、小さいものは2等分、大きいものは4等分する。ごぼうはたわしでこすり荒いし、乱切りにして水にさらしてアク抜き。大根は皮をむき、さといもと同じくらいの大きさに切る。にんじんは皮をむき、2cm厚さの半月切りか、いちょう切りにする。ねぎは1cmのぶつ切り。
  3. 鍋に水と昆布を入れ火にかけ、熱くなったら鶏肉を入れる。煮たってアクが出て来たら、ていねいに取り除き、ごぼう、大根、にんじんを入れる。ここでみその半量を溶き入れ、ひと煮してさといもを加える。
  4. しばらく静かに煮て、野菜類が柔らかくなったら残りのみそを溶き入れ、みりんも加える。最後にねぎを散らしてサッと煮て、器に盛る。

全国みそ料理めぐり 一覧に戻る

ページトップに戻る