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全国みそ料理めぐり

神奈川県 ふろふき大根

冬の三浦半島は内陸の名産・
三浦大根が主役

マリンスポーツの聖地 三浦は大根の産地

神奈川県といえば横浜の中華街や山手の異人館に外国人墓地、アメリカ海軍の基地がある横須賀にサーファーでにぎわう江の島、日本ヨット発祥の地 葉山など、異国情緒とマリンスポーツのイメージがあります。

そんな神奈川県の郷土料理がふろふき大根と聞くと意外な感じもしますが、三浦半島の内陸部は古くから大根の産地としてその名が通ってきました。 江戸時代に編纂された地誌「相模風土記」によれば三浦半島の大根栽培は寛永年間から始められたそうですから、約400年もの歴史があります。大正14年からは「三浦大根」の名で東京市場にも出荷され人気を呼び、冬の味覚として定着しました。大根を使う冬の料理といえば煮物におでん、そしてふろふき大根。

ふろふき大根という不思議な名前の由来は諸説あり、江戸時代にやはり大根栽培が盛んだった伊勢地方で熱い蒸し風呂が好まれ、体にフウフウ息を吹きかけ垢をすり出していたため「風呂吹大根」と呼ばれるようになったとか。他にも漆職人が冬になると漆の乾きが悪く困っていたところ、ある僧侶から大根の茹で汁で風呂(作業場)に霧を吹いて乾かすと良いと教えられ、試したところ効果があり、茹でた余りの大根を「風呂を吹いた大根」と近所に配ったことからとする説もあります。

煮崩れしにくい三浦大根、一本丸ごと召し上がれ

ふろふき大根の作り方は、材料(4人分)として大根1本、赤味噌110g、みりん大さじ4、しょうが汁1かけ分、ゴマ大さじ1、砂糖大さじ4、出汁昆布3cm程度を用意します。

大根は3cm厚程度の輪切りにして面取りし、鍋で20分ほど下煮。同時に別の鍋で赤味噌、みりん、しょうが汁、ゴマを弱火で煮込み、ツヤが出るまで練り合わせます。下煮した大根はさっと洗い大根がかぶるくらいまで水を足し、出汁昆布を加えて弱火でさらに1時間ほど煮ます。煮上がった大根を器に盛り、練り合わせた調味料をかけてできあがり。大根を煮る際は昆布出汁のほか、カツオ出汁で煮ても美味しくいただけます。

三浦大根は葉と身の間の「首」部分が細く、お尻に向かうにつれ太くなる「中ぶくれ」の形が特徴で、柔らかく緻密な肉質は煮くずれしにくいためふろふき大根やおでんには最適です。但し現在は三浦半島でも「青首大根」が主流となり希少な存在になりました。どの大根でも作れますが、品種や季節によって煮る時間が異なりますから丁寧な煮方を心がけましょう。

大根はふろふき大根やサラダに適した真ん中部分のほか、葉は汁物や炒め物、和え物、菜飯などに、葉に近い上部は甘味を活かして含め煮やおでん、ぶり大根などに。しっぽに近い部分は辛みを活かして大根おろしに、むいた皮はきんぴらや炒め物、みそ汁などにと丸ごと一本を幅広い調理に使えます。大根づくしも楽しいですね。

自然と歴史が凝縮された三浦半島を散歩

三浦大根の産地 三浦半島は、中心を走る京浜急行が観光地として力を入れています。終点の三崎口駅からバスで15分ほどの三崎港はマグロで有名、美味しい料理屋さんやマグロ角煮のお土産が人気。海に突き出た城ヶ島へ足を伸ばせば視界いっぱいに広がる太平洋と、馬の背洞門をはじめ奇岩が連なるダイナミックな自然の風景を楽しめます。

中心になる横須賀は、アメリカを感じさせる古着屋さんやスカジャンの専門店、横須賀カレーや横須賀バーガーなどのグルメが若者に人気の街。日米の艦船が間近に見られる「YOKOSUKA軍港めぐり」や日露戦争で大活躍した「記念艦三笠」、そして第二次世界大戦中に海軍の要塞として使用され、兵舎や砲台などが今も残る「猿島」は歴史好きには見逃せません。

葉山御用邸で有名な葉山は一色海岸の静かな砂浜を臨む皇室ゆかりの景勝地、周辺の海に生息する魚類、貝類などを展示する「葉山しおさい博物館」では昭和天皇の貴重なコレクションも見られます。四季を通じ様々な表情を見せてくれる三浦半島、お気に入りの散歩道がきっと見つかることでしょう。

「ふろふき大根」(2人分)

材料

  • 大根20cm
  • こんぶ5cm
  • 少々

練り味噌

  • 味噌100g
  • 砂糖80g
  • 50ml
  • みりん25ml

作り方

  1. 大根は3cmに切って皮を厚めにむく。米を加えて串がスッと刺さるまで茹でる。
  2. 小鍋に練り味噌の材料を入れ、火にかけてよく練る。
  3. ①のアツアツの大根にかける。

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