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全国みそ料理めぐり

宮城県 さんまの酢みそ和え

秋の味覚の代名詞「秋刀魚」を
四季を通じて食べれるように酢味噌で

三陸沖の新鮮なさんまを、酢みその香りが引きたてる

さんまは「秋刀魚」の漢字表記からも知られる、秋の味覚を代表する存在です。中でも8月末から9月にかけて三陸沖で漁獲されるサンマは、北の海でたくさんの餌を食べたために脂質が20%も含まれ、まさに脂が乗った旬の味を楽しめます。日本中で人気のさんまは、落語「目黒の秋刀魚」で有名な塩焼きを筆頭に、たたきや刺身、つみれ、フライ、水炊きなど、全国にいろいろな料理法があります。

さんまの酢みそ和えは、刺身にシソや長ネギ・みょうがなど沢山の香味野菜を合わせ、酢みそをかけていただく料理です。香味野菜のしゃきしゃき感と、さっぱりした酢みその香りが、新鮮なさんま刺のぷりぷりした歯ごたえに新たな食感を加え、ご飯のおかずにも酒の肴にもよく合います。

調理方法は、3枚におろしたさんまに薄塩をして30分ほどおき、水気をよく拭い、酢洗いして皮をひき食べやすい大きさに切っておきます。みそ、砂糖、酢を混ぜた酢みそをつくり、長ネギ、シソ、ミョウガ、しょうがの千切りなどと盛りつけていただく、意外に手軽でもう一品にはぴったりですね。

バリエーションとして香味野菜を使わず、氷水で洗い、酢で締めたさんまを酢みそにからませる「さんまのぬた」もあります。いずれも自宅で作る際は新鮮な材料を使い、中央と腹の血合い骨と小骨を骨抜きで丁寧に取るようにしましょう。

酢みそ和えは、春から初夏にかけて漁獲される、脂が少ないさんまでも美味しくいただけるので、四季を通じて愛されています。

高い栄養効率と成人病予防、さんまは現代人の味方

さんまは外洋性で太平洋から日本海に広く分布し、数千から数百万から数千尾もの大群で回遊しています。宮城県のさんま漁は秋の産卵期に南下する群を追って100t以上の大型漁船が沖合操業を行い、夜間集魚灯で誘導する棒受け網漁法で捕獲します。シーズンになると三陸・常磐沖の豊かな漁場から女川、気仙沼の魚市場への水揚げ風景は季節のニュースにも登場しますね。

黒潮と親潮が交錯する三陸漁場を抱える宮城県は全国屈指の水産県であり、沿岸・沖合漁業ではさんまのほか、カレイ、イワシ、ヒラメ、サバ、サケ、イワシ、アナゴなどが、遠洋漁業ではマグロ、カツオなどが、沿岸部では日本一の生産量を誇るギンザケをはじめ、ノリ、カキ、ワカメ、ホタテ、ホヤなどの養殖業が行われています。

サンマはおいしいだけではありません。脂質中に含まれるIPA(イコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)という高度不飽和脂肪酸には、コレステロールや血圧を下げ、動脈硬化、脳卒中、心臓病、高血圧などを防ぐ作用があります。ビタミンA、B群、カルシウムや鉄分も多く、血合いには貧血を防ぐビタミンB12も多く含まれています。また、小サンマの丸干しや缶詰など、骨ごと食べればカルシウムの吸収がアップする栄養効率の高さも魅力です。

海には魚、陸には温泉、体を癒す地球の恵み

宮城県の内陸部は、海の幸に対し温泉の宝庫です。老舗旅館とホテルが建ち並ぶ巨大温泉街から、山間にひっそりと一軒宿を構える秘湯まで、多種多様な温泉地があります。

その代表格が秋保温泉。仙台から日帰りできる気軽な距離感と、秋保大滝を中心とした見事な渓谷美が人気の「仙台の奥座敷」です。「奥州三名湯」と言われるのは鳴子温泉郷。源泉100%の硫黄泉は1000年以上の歴史を持つ古湯として知られ、鳴子こけしや鳴子峡の鮮やかな紅葉とともに人気を集めています。

海側の名湯が日本三景「松島」を一望できる松島温泉。「太古天泉」と呼ばれる湯は、数億年間にわたり地熱で温められたといわれます。御釜で有名な蔵王連峰を望む標高約330mの高原に湧くのは、遠刈田温泉。開湯400余年、蔵王観光の拠点としても賑わっています。秋保と並び仙台市民に愛されているのが、市街地から車で30分ほどの作並温泉。山形県との県境にも近く、松尾芭蕉の「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」で有名な山寺(立石寺)へのアクセスも便利です。

数え上げればきりがありませんが、温泉は宮城の人々には身近な存在。とくに農家では農閑期に1カ月単位で湯治場にこもり、じっくりと体をケアする文化がありました。今なお湯治場の雰囲気を残しているのが鎌先温泉。その名の通り、畑を耕す鎌の先が掘り当てたといわれ、切り傷に効能があるといわれる「奥羽の薬湯」が、今も多くの湯治客を癒しています。

「さんまの酢みそ和え」(2人分)

  • エネルギー 237Kcal
  • 食塩相当量 2.5g
  • ※一人分の値

材料

  • さんま100g
  • わかめ適量
  • 小ねぎ適量
  • 針しょうが少々
  • 酢みそ
  • Aみそ大さじ3
  • A砂糖大さじ1と1/2
  • A大さじ2
  • 塩・酢少々

作り方

  1. さんまを3枚におろし、薄塩をして30分位おく。水気をよく拭い、酢洗いして皮をひき、食べやすい大きさに切る。
  2. 小ねぎはさっと茹で、水気をよく切る。わかめは戻して、熱湯をかけ2cm位に切る。しょうがは千切り。
  3. 酢みそを合わせておく、酢みそに火を通す場合があるが、青魚の場合は生みそでもよい。
  4. さんま、小ねぎ、わかめを和え、器に盛って針しょうがを添える。

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