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全国みそ料理めぐり

沖縄県 ナーベラーのみそ炒め

沖縄を代表する島野菜をつかう、
夏のスタミナ食

ビタミン・ミネラル豊富なナーベラーは美容にも効果

ナーベラー(ナーベーラーとも)はいわゆるヘチマのことで、ゴーヤと並び沖縄を代表する夏野菜として人気があります。化粧水にも使われるほどビタミンやミネラル(葉酸・ヘチマサポニンなど)を豊富に含み、お肌のアンチエイジングなど美容にも嬉しい食材です。もともとは熱帯アジアを原産とするウリ科の植物で沖縄には江戸時代前期に中国から伝わりました。高温多湿を好む性質が沖縄の気候にマッチし、旬は7~9月ですが施設栽培の普及により1年を通して栽培が行われています。県内の産地としては本島の中央に位置する南風原町(はえばるちょう)が有名で、その生産量は日本一。南風原産のナーベラーは「はえばる美瓜(びゅうりー)」というブランドで県内外から評価され、町内の飲食店では様々なメニューが提供されています。

なめらかな食感と淡白ながらまろやかな甘みは豚肉をはじめどんな食材とも相性が良く、煮物にも焼き物にも使えるので沖縄の家庭料理には欠かせません。若くやわらかいナーベラーは、今回ご紹介するみそ炒めのほかにも味噌汁やカレー、中華料理の具材としても使われています。

ナーベラーンブシーのポイントはドゥー汁

ナーベラのみそ炒め、沖縄では「ナーベラーンブシー」と呼ばれています。「ンブシー」とは豆腐や野菜と豚肉を味噌で煮込む、汁気の多い煮物料理の総称で、ナーベラーを中火でじっくり煮るうちに出るドロっとした甘い汁「ドゥー汁」が絶妙なおいしさに仕上げてくれます。

ナーベラーンブシーの材料はナーベラー(へちま)1本、木綿豆腐1/2丁、みそ大さじ2杯、だし汁大さじ2杯、砂糖大さじ1/2、しょうゆ大さじ1/2、サラダ油大さじ2杯。 ナーベラーは皮をむいて2cm厚程度の輪切りにし、大きいものは半月に。豆腐は食べやすいサイコロ状に切りましょう。フライパンにサラダ油を入れナーベラーを炒め、全体にしんなりしてきたら豆腐を加え一緒に炒めます。最後にみそとだし汁、砂糖、しょうゆを加え炒め合わせてできあがり。みそは自宅で使われているもので十分ですが、実は沖縄県は琉球王国の時代からみそ料理が豊富な土地柄。まろやかでほんのりとした甘みが特徴で、米や麦、大豆を原料とする個性的なみそが数多く作られています。最近では島唐辛子や沖縄の塩、ウコンなどを加えた製品もあり、沖縄オリジナルのみそを使っても良いでしょう。

もう一つおすすめの具材が豚肉です。中国との交流を通じ盛んになった沖縄の豚肉食は琉球王朝の宮廷料理として発展し、養豚業の発展とともに家庭料理としても定着しました。薄く一口大に切った豚の三枚肉やポークランチョンミートを加えれば、ボリュームあるスタミナ食が楽しめます。

美しい自然とともに沖縄独特の郷土色を

14世紀に琉球王国が誕生して以来、沖縄は激動の歳月を過ごしてきました。中国や東南アジアの周辺諸国との交易がもたらせた「大交易時代」、薩摩藩の支配下で独自の琉球文化を形成した時代。明治維新による沖縄県の誕生、多くの県民が命を落とした第二次世界大戦の惨禍。終戦後は米軍統治下に置かれ、1972年に本土復帰。レジャーブームの主役となる一方、自然破壊や基地問題を抱える現代へ。沖縄にはすべての時代の名残が今もリアルに残っています。八重山諸島をはじめとする離島の美しいビーチと満天の星空、個性的な郷土料理と泡盛や古酒、数々の伝統芸能など沖縄県には沖縄でしか出会えない魅力が数多くあります。自然の恵みと歴史の重み、平和の大切さ、沖縄は訪れる人々の心を大きく変える力を持っています。

「ナーベラーのみそ炒め」(2人分)

材料

  • へちま1本
  • 木綿豆腐1/2丁
  • みそ大さじ2
  • だし汁大さじ2
  • 砂糖大さじ1/2
  • しょうゆ大さじ1/2
  • サラダ油大さじ2

作り方

  1. へちまは皮をむき、2cmの輪切りにする。大きいものは半月に切る。
  2. 豆腐は食べやすいサイコロ状に切る。
  3. フライパンにサラダ油を入れ、へちまを炒める。全体にしんなりしたら、豆腐を加え一緒に炒める。だし汁とみそ、砂糖、しょうゆを加え炒め合わす。

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