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全国みそ料理めぐり

静岡県 カジキマグロのみそ漬け

豪快に釣り上げるカジキマグロのみそ漬けは
世界のアングラーに愛される漁港の味

刺身では売りにくいカジキが味噌とのコンビでロングセラーに

静岡県とカジキマグロを語る上で外せないのが1985年から下田市で開催されている「ジャパン・インターナショナル・ビルフィッシュ・トーナメント (JIBT)=国際カジキ釣り大会」です。世界各地から100チーム500人を超えるアングラー(釣人)が集まり腕を競う大会は世界屈指の規模を誇り、SHIMODAはカジキ釣りの聖地として認知されています。

カジキマグロのみそ漬けは昭和30年代からなまり節に代わる水産加工製品として開発され、数十社が製造を行い現在に至るロングセラー商品となっています。開発のきっかけはカジキマグロの刺身の肉色、淡桃色や淡黄色の肉色はクロマグロやメバチマグロに比べ低評価の傾向があり、肉色で品質が左右されないみそ漬けが開発されたのです。

原料には遠洋まぐろ延縄漁業で漁獲されたクロカジキ、シロカジキが多く使われ、春先に東南アジア沿岸域で漁獲された魚を凍結したものが年中使用されるほか、日本沿岸域のマカジキやメカジキも用いられています。みそも白味噌、淡色味噌、赤味噌とバラエティに富み、メーカー各社は独自にブレンドし、みりんや日本酒を加えて調整した自慢の味噌床を持ち独自性を出しています。

ちなみにカジキはマグロと言ってもマグロとカジキは全く別の魚、上あごの先端が鋭く伸びたカジキはマカジキかメカジキ科に属し、マグロ類はすべてサバ科に属します。どちらも延縄漁で獲れること、マグロの人気にあやかって料理屋さんなどがカジキマグロという名前をつけたという説もあります。

ラップで漬けてホイルで焼いて、家庭でも手軽に楽しめる

カジキマグロはたんぱく質が多く脂肪は少なめ、カリウムなどのミネラルや各種ビタミン、脂肪酸、アミノ酸を豊富に含む非常に優秀な食材です。そこにみそが持つコレステロールの抑制や消化促進、整腸作用などの食品特性が加わるカジキマグロのみそ漬けは、豊富な栄養素を単品で得られるメニューといえます。

市販のカジキマグロのみそ漬けはアルミホイルで一巻きし強火で15分程度焼くと美味しく仕上がり、魚とアルミホイルの間に隙間を入れるように両端はしっかりふさぐ巻き方がコツです。ほかに薄くサラダオイルをひいたフライパンにフタをして、弱火で7分~10分ほど焼く方法もあります。

家庭で作る平均的な方法としては、4人分の材料としてメカジキの切り身を4切れ、漬けダレとして好みのみそを大さじ3と1/2、おろし生姜小さじ1/2、酒小さじ1、ごま油小さじ1を用意します。ボウルに漬けダレを入れよく混ぜ、広げたラップにメカジキ2切れ程度の面積に広げて塗り、メカジキ2切れを乗せた上から再度漬けダレを塗り広げてラップで包みます。残り2切れも同様に処理し、バットに並べ冷蔵室で4時間から一晩漬けておきます。焼く際には切り身の表面からみそを取り除き、前述の要領で焼けば出来上がりです。一晩以上置く場合は冷凍庫で保存し、調理の前に解凍しましょう。

近海から遠洋、養殖まで、東海道水産本線を行く

東京都・神奈川と名古屋に挟まれる形で太平洋に面し長く横たわる静岡県は、総延長506kmの海岸線と浜名湖141kmの湖岸を有する、もっとも水に恵まれた県と言えます。漁場としても伊豆半島の入り組んだ地形、水深2,500mにも達する駿河湾の深海、遠州灘の広い砂浜に海水と淡水が融合する浜名湖、さらには沖合の黒潮と、漁獲高だけでない種類の豊富さが自慢です。

東海道線を各駅停車に揺られてみれば、熱海でアジの干物、三島でアジの押し寿司、沼津でイワシのつみれ汁、田子の浦でシラス丼、由比でサクラエビのかき揚げ、清水でマグロの刺身、焼津でカツオの叩き、浜松のうなぎ、浜名湖の牡蠣カバ丼と次から次へと新鮮でユニークなレシピを堪能できます。帰りは清水港から伊豆の土肥港へ渡る駿河湾フェリーもオススメ、天気の良い日には日本一の富士山が鮮やかに見られます。

「カジキマグロのみそ漬け」(2人分)

材料

  • カジキマグロ2切れ
  • 味噌100g
  • 砂糖50g
  • 大さじ3

作り方

  1. 味噌に砂糖と酒を加えてよく混ぜ、味噌床を作る。
  2. カジキは水気を切り、味噌床に漬け込む。好みで1〜2日漬け込む。
  3. 味噌を払い取り、焦がさないように焼く。

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