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全国みそ料理めぐり

栃木県 かんぴょうの卵とじ

出荷時の切れ端を活用した
元祖食品(フード)ロス対策メニュー

かんぴょうと卵は、抜群の栄養バランス

栃木県は鮭の頭を大根などと煮込んだ「しもつかれ」や、全国有数の収穫量を誇るニラをつかった宇都宮の餃子、世界的に高い評価を受ける「とちおとめ」をはじめとするブランドいちごなどユニークなグルメで話題になります。

今回ご紹介する「かんぴょうの卵とじ」も、国内生産量の9割以上を占める特産品を使った古くからの郷土料理です。かんぴょうはユウガオの実の皮部分を細長く切り乾燥させたものですが、うまく剥けなかった部分や売物にならない切れ端を活用したのが「かんぴょうの卵とじ」の始まり。今で言う食品ロス対策そのもので、収穫物を大切に扱う姿勢を感じます。

材料は4人分で主役のかんぴょうを30gと卵を1個、みそ大さじ1強とだし汁2カップ、小口切りした万能ねぎをご用意ください。 かんぴょうは水で洗い塩でもみ、柔らかくなったら茹でて食べやすい大きさに切ります。卵はボウルに入れ溶きほぐしておきます。だし汁にみそを溶き入れ火にかけ、煮立ったらかんぴょうを加え火が通ったら卵を溶き入れふわりとかき混ぜ、万能ねぎを散らしてでき上がり。 かんぴょうは腸を整える食物繊維と骨を丈夫にするカルシウムを多く含み、卵は体力維持に欠かせないタンパク質を接種できます。近年は学校給食としても人気の栄養バランスに優れたレシピです。

食だけでなく産業や文化も育んだかんぴょう

アフリカ・アジアの熱帯地方を原産とするかんぴょうは朝鮮を経て日本に渡来したと伝えられ、摂津国木津(現在の大阪市浪速区)が日本のかんぴょう生産発祥の地とされています。

栃木県干瓢商業組合のホームページによれば現在の壬生市にかんぴょうが入ったのは1712年、滋賀県水口の城主鳥居伊賀守忠照公が壬生城主に入府された際、興農対策として種子を取り寄せたことに始まり、300年以上の歴史があります。元治元(1864)年には壬生干瓢商組合が設立され、明治から昭和にかけ着実に生産量を増やしてきました。 見逃せないのはユウガオの皮を剥く手法の進化で、包丁や手鉋(かんな)による手作業から手回し式や足踏み式の丸剥き器が開発され、昭和30年代からは電動式が導入されと作業効率の向上を求め改良が重ねられてきました。すべて石橋・宇都宮近辺の農民や職人の手によるもので、農機具開発の歴史上からも特筆すべきものがあります。

かんぴょうの原料ユウガオの実は、食用のほかふくべ細工にも使われています。ふくべは果肉を取り除いた外皮を乾燥させた瓢箪のようなもので、戦国時代から茶道の炭入れやお酒の容器に活用されてきました。現在も炭入れや花器、色彩鮮やかに絵付けされた人形などが工芸品として作られています。また、栃木県のかんぴょう栽培発祥の地、壬生町藤井地区ではかんぴょうを「壬生の誉れは天下の誉れ」と軽快な節回しで謳い上げる「干瓢音頭」がお祭りなどで歌い継がれ、特産品への想いがうかがわれます。 食べるだけでなく農機具や工芸品など産業・文化の発展にも寄与してきたかんぴょう栽培は、栃木県の歴史を広く彩ってきた大切な存在と言えますね。

日本最古の大学に大谷石、栃木はかくれた観光大国

栃木、群馬、茨木の北関東3県は全国的な知名度こそ低いものの、魅力的な観光資源を多く持っています。栃木県にも「日光を見ずして結構というなかれ」と呼ばれる世界遺産「日光東照宮」や日本最古の大学「足利学校」など多くの見どころがあり、世界中から多くの観光客が訪れます。近年の産業遺産ブームで脚光を浴びているのが、かんぴょうの産地宇都宮市の「大谷石採掘場跡」。高級建材として重用される大谷石の切り出し場が地下30m、広さ2万平方メートルにも渡り公開され、ほかでは見られない幻想的な雰囲気が味わえます。宇都宮市内にはその大谷石をふんだんに使用した登録有形文化財「松が峰カトリック教会」があり、パイプオルガンの演奏や夜のライトアップが人気を集めています。

皆さんも栃木県でかんぴょう料理と生きた歴史に触れてみてください。

「かんぴょうの卵とじ」(2人分)

  • エネルギー 109kcal
  • 食塩相当量 1.5g
  • ※一人分の値

材料

  • かんぴょう30g
  • 1個
  • だし汁2カップ
  • みそ大さじ1強
  • 万能ねぎ2本

作り方

  1. かんぴょうはさっと洗い、塩でもみ柔らかくなったら茹で、食べやすい大きさに切る。
  2. ボールに卵を入れて溶きほぐしておく。
  3. だし汁にみそを溶き入れ、沸いてきたらかんぴょうを加える。かんぴょうに火がとおったら、卵をさっと溶き入れ、ふわりとかき混ぜる。最後に万能ねぎの小口切りを散らす。

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