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全国みそ料理めぐり

東京都 みそちゃんこ鍋

厳しい稽古を終え大鍋を囲む親方と力士たち
変わることなく続く江戸からの伝統料理

力士の強靭な体を作る、栄養満点の伝統食

ちゃんこといえば相撲、相撲といえばちゃんこ、大相撲ファンならずとも力士が食べるちゃんこ鍋を知らない方はいないでしょう。「ちゃんこ」の語源には様々な説があり、中国語で鍋を指す「チャン・クォ」を語源とする説が有力です。一方、「ちゃん」には父親や親方、「こ」には子供や弟子の意味があり、親方と弟子が一緒に食べるからという説もあります。

家庭でちゃんこ鍋を楽しむ際の代表的なレシピ(4人分)を紹介すると、材料は鶏もも肉を1枚、鶏だんごを10個、白菜1/4個、にんじん1/3本、長ねぎ2本、水菜1/2、しいたけ4枚、絹ごし豆腐1/2丁、油揚げ2枚、くずきり1袋。これに味付けとして鶏ガラスープの素大さじ3、すりおろしにんにく3〜5片、すりおろししょうが少々、そしてみそ60gを用意します。 すべての具材を食べやすい大きさに切り、大きめの鍋に約1000ccの湯を沸かし、みそなどの調味料をとき入れます。煮えにくい具材から入れ、火が通ったものからいただきます。

ちゃんこ鍋に鶏肉を使うのは、相撲は手をつくと負けになるため牛や豚など四足の動物は避けられ、二本足でしっかりと立つ鶏にあやかる縁起をかつぐためです。大横綱双葉山が自身の連勝記録が途絶えたときの名言「いまだ木鶏たりえず」も有名ですね。大相撲には大阪、名古屋、福岡の地方場所や地方巡業があり、ゆく先々の名産や魚介類などを取り入れることもあります。

力士の第2の人生も支える、ちゃんこ鍋

力士が食べる食事は、鍋に限らずラーメンやカレーライスでも「ちゃんこ」と呼ばれます。相撲部屋にはそれぞれ秘伝のレシピがあり、以前は本場所中の両国国技館で場所ごとに各部屋のちゃんこ鍋が再現され人気を集めました。最近は外国人力士の台頭もあり、カレーやキムチ、トマトなどで味付けしたちゃんこ鍋も好まれているとか。

力士たちの食生活は我々と異なり、朝食にもっともボリュームをかけます。夜明け前から土俵の稽古でヘトヘトになるまでからだを動かし、風呂で汗を流すとすぐにちゃんこを囲み、空腹に目一杯の食事を取ります。力士は食べることも仕事、食事量が多い力士はエビスコと呼ばれ大きな期待をかけられるそうです。ちゃんこの後は昼寝。激しい運動と大量の食事、直後の睡眠が力士の体を大きく育てます。とはいえこれは力士ならではの生活、引退後は私たち同様の食生活に戻り、場所中の国技館ではマゲを落とし見違えるようにスマートな体型に戻った親方衆の姿が見られます。

相撲部屋で調理を担当するのは「ちゃんこ番」と呼ばれる力士たち。入門したての若い力士は包丁の使い方や出汁の取り方、魚のさばき方など調理の基本を相撲同様に教わります。部屋での料理はもちろんですが、引退・廃業後に社会へ出ても調理人として仕事に就けるよう、いわゆるセカンドキャリア対策、元力士が腕を振るうちゃんこ鍋店は多く、高い人気を得ています。

ちゃんこの味が染みる相撲の街、両国散歩

JR両国駅のホームから目の前に見える両国国技館は大相撲のメッカ、毎年一月、五月、九月の十五日間は本場所が開催され、内外から多くの見物客で賑わいます。現在の国技館は1985年にオープンした三代目で館内では相撲博物館や相撲錦絵の壁画などが見られ、場所中は特性ちゃんこ鍋や名物焼鳥などが味わえます。

相撲の街、両国には国技館を中心に大小の相撲部屋が点在し、散歩をしているとリラックスした力士たちに出会う機会も多く「相撲取りにはどこ見て惚れた、稽古帰りの乱れ髪」という有名な川柳もあります。

両国駅を挟んだ反対側にあるのはかつて国技館があった回向院、境内には親方衆が弟子の出世を祈願する「力塚」があり、ひいき力士の活躍を願う熱心なファンも訪れます。錦糸町方面に10分ほど歩けば相撲の神様を祀った野見宿禰神社、ここには歴代横綱名を刻んだ碑があり懐かしい話ができそうです。 入門後しばらくして大相撲の水に慣れてきた力士を「ちゃんこの味が染みてきた」と表現します、皆さんも両国でちゃんこの味に染みてはいかがでしょうか。

「ちゃんこ鍋」(4人分)

  • エネルギー 420kcal
  • 食塩相当量 3.7g
  • ※一人分の値

材料

  • 豚肉150g
  • 鶏もも肉1/2枚
  • わたりがに1杯
  • 車えび4尾
  • ハマグリ8個
  • 長ねぎ1本
  • 白菜4枚
  • 生しいたけ4個
  • 豆腐1丁
  • 油揚げ2枚
  • その他、ほたてやつみれ、ぎんなん、春菊など好みで用意 
  • Aだし汁(昆布とカツオ節)1.5ℓ
  • A1/2カップ
  • Bみそ(辛口)大さじ6
  • Bみりん大さじ2
  • Bしょうゆ大さじ1

作り方

  1. 豚肉と鶏もも肉は食べやすい大きさに切る。
  2. わたりがには食べやすいように切り分け、貝類は砂抜きをしてえびは背ワタを取る。油揚げは油抜きをして食べやすく切る。その他の野菜や、豆腐は食べやすいように切る。
  3. 鍋にだし汁と酒を入れて火にかけBの合わせみそを溶き入れて、肉や魚介など火の通りにくいものから入れて煮ながら食べる。

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